簡単な修理
今回はヨットです。ベネトゥ オセアニス440
修理内容は、キースイッチの交換、航海灯がチラチラするので交換、ストップスイッチの不具合改善です。
エンジンの始動するキースイッチの不具合は多いです。
オーナー様はマリーナまで数時間掛けて来られるので、簡単な修理でも時間が勿体無いです。
業者に任せておけば、その他の不具合も発見してもらえます。
折角、マリーナに来ても修理に半日取られるのは無駄です。
そんなお客様のための私どもの業者です。即クルージングに出ていただきたい。
重要な部品なので、キースイッチが具合が悪い時は交換しましょう。
エンジンが掛からなくなる恐怖がなくなります。
航海灯も昔の電球タイプを使っている方はLEDタイプに交換すると光量も明るく夜間航行も安心ですよ。


もうガラスも曇っていて光量も低いです。

エンジンを止めるときは、このヤンマーのタイプはストップスイッチを押しますが何度も
押さないと止まらないようで調べるとヒューズボックスが塩害で錆びていました。
ヒューズボックスごと交換しました。

LEDタイプに交換しました。もちろん両方とも交換します。

ヨットやボートは年式が古くなればなるほど色々壊れます。
だから、毎年予算を決めて色々交換していくことです。
海に出たら、何か壊れます。壊れるリスクを減らしていくことは重要です。
車と違って命の危険度が高いです。
仲間や遊びに来た友達に不快な思いをさせないように定期的な点検、交換と整備を
しておくことを怠らないでください。
お金は掛かりますが、それをケチるなら船には乗らないことです。
漂流したり、事故になります。
今年はヨットやボートの事故がとてもたくさん起きています。
船長さんは船員の命を預かっていることを忘れないでくださいね
電気系統 総合診断

中古艇を買われたりすると電気配線がぐちゃぐちゃな船が多いです。
このスイッチは動いているのか?動くのか?
何と何が繋がっているのか?
バッテリーは大丈夫か?交換時期は?等
色々不安があると思います。
プロの目で見て確認して配線図を作成するメニューをご用意しています。
基本5万+出張費です。大型艇等は割り増しになります。
また、オプションで不要な電線を撤去するメニューもございます。


上記の線はネットワークケーブルの整理をした時の残骸です。これだけ無駄なネットワークケーブルがありました。中古艇を購入するとオーナーが変わるごとに色々ご自分で取り付ける方が多く。不要な線を撤去しないでそのままの船が多いです。漏電事故や断線事故になりやすいです。


現在のバッテリーの状態から問題点まで色々記録しておきます。
これがスタート地点で、今後問題回路を変更したり、色々な機器を追加した場合にも回路図を変更して行くと故障した時にわかりやすくて便利です。
ヨットの回航

今回、静岡県沼津から千葉県の銚子までのヨットを回航しました。
あまり乗られて居なかったなので、毎日少なからずトラブルは出てきます。
それを直しながら移動していきます。

今回のヨットですが母港が銚子なんです。そうなると航行できるエリアが下の写真のエリアだけなんです。

黒枠の下のエリアが航行出来ないので静岡から運べないんです。
そこで臨時変更証という船舶検査を受けて回航に限る船舶検査証を発行してもらいます。

これも1ヶ月間の期限付きです。そんな訳で静岡県沼津市から千葉県の銚子まで回航出来ることに
成りました。工程は以下に記載します。
沼津から大島 波浮港 15時間
大島 波浮港から千葉県千倉港 9時間20分
千葉県千倉港から千葉県大原港 9時間
千葉県大原港から銚子マリーナ 8時間15分
今回は、天候が何とかあまり崩れなかったので良かったですが20ktオーバーの向かい風の中
ずぶ濡れに成りながらの移動でした。
天候が崩れると、数日出れないことも普通です。
安全にお客様のヨットを運ぶのが回航という仕事です。
中古で購入したヨット
今回面倒を見ているのは、船齢30年超えのヨットです。初めてヨットを買われたそうで色々とメンテナンスを依頼されました。

CC-30と言うセンターコクピットのヨットでラットタイプ(舵がステアリング)です。
このタイプはお金が掛かりますし、初心者には向いていないと思います。まず、オートパイロットが付いてないと非常にお金が掛かります。また、舵の重さがあまり感じ無いので、初心者にはティラータイプがおすすめします。
電気配線をチェックしました。配電盤の裏側を開けてびっくりです。配線はぐちゃぐちゃになり、あちこちで切断されている線が多数ありました。

本当なら、全て線を引き直して綺麗にしたい所ですが予算の関係も有り、なるべくお金の掛からない方向での復帰になりました。
現在付いている配電盤はこちらです。

このスイッチ類も半分以上が断線していました。全て取り外してチェックします。

また、新しいサーキットブレーカータイプの配電盤に変更するために、配電盤取り付け板も製作しました。

新しい配電盤が取り付きました。裏側もしっかりと直してあります。

配電盤は直りました。しかし、まだまだ問題は山積みです。マスト灯が付かない事が判明しました。マストに登り直さないと夜間航行が出来ません。合わせて風見も交換です。

中央に見えるバルブがありますが、電蝕と言って金属が虫歯のように溶けてしまっています。もちろんバルブは回らず機能していません。しっかり修理しないと、バルブが根元から折れたら浸水して沈没します。
これも、一度ヨットを陸に上げて修理する必要があり高額な修理代が掛かります。
この様に100万程度で買われて来た中古ヨットは、まともに動かすまで100万以上掛かる感じになってしまいます。
ヨットも高齢化で、売りたい時にはなるべく修理代を掛けたく無いので、間に合わせ修理で直したりしているヨットが多いです。
調子が悪くなったので、乗り換えたりするわけです。
もし、中古ヨットを買われる場合にはご相談ください。現地でしっかり見て今後の修理代がどのくらい掛かるのか?見積もりいたします。
もちろん、出張費、作業費ぐらいはいただきます。しかし、買ってから苦労しないようにお手伝いいたします。
